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砂時計の気まぐれ倉庫

過去にどこかに書いた文章の気まぐれな再録が中心です。

金田一耕助vs金田一耕助(妄想)

(2006年12月22日にアップしたmixi日記の再録です)

 市川監督のリメイク版『犬神家の一族』で金田一耕助役の石坂浩二さんの顔を見ていて「誰かに似てるんだけど、誰かなあ……」と考えこんだあとで気づいた。「武田鉄矢さんだ……」。それぞれの若い頃は似ても似つかないのになあ。

 原作の金田一同様、年齢を重ねても若さを保ち続ける石坂さんは『病院坂の首縊りの家』を最後にスッパリと金田一役をやめ(たしかBSのアガサ・クリスティー生誕百年の特番に金田一の扮装で出演したことがあったと思うけどそれくらいか)、それとは対照的にどんどん中年の渋さを増して原作の万年青年・金田一のイメージとはかけ離れてゆく古谷一行さんがいつまでも金田一役を続けていることに皮肉を感じていた長い年月。

 その石坂さんも流石に今の年齢だと老いを外見に滲ませるようになったんだなあ、と感慨深いものがあったりする。

 でも今のほうがいい意味で俗っぽさが感じられて原作のイメージに近いような気も。

 さて―。

 これまでに多くの俳優が金田一耕助を演じてきたけれど、石坂浩二古谷一行の二人は別格。

 こうして石坂さんが金田一として復活した今、自分の中でふつふつと沸き上がってくる思いがある。

 石坂金田一と古谷金田一の競演が見たい。

(以下、しょーもない妄想が続きますのでテキトーに読み流してください)

 パラレルワールドに存在し、それぞれの世界で多くの難事件を解決してきた二人の金田一耕助が、突然第三の世界に迷い込み、バッタリと出会う。

 その世界の獄門島にある八つ墓村の犬神家ではフルートの音色とともに手毬唄に見立てた連続殺人が。

 錯綜する人間関係。複雑怪奇な謎の数々。

 そして二人は、このウルトラ難事件を解決することが、元の世界に戻るためのたった一つの方法であることを知る。

 捜査をともにする中で培われてゆく自分同士の奇妙な友情。

 やがてあまりにも意外な真相の解明によって事件は終わりをつげ、二人はそれぞれの世界へと帰ってゆく―。

『もう一人の金田一耕助君。きみと出会えて良かったよ。

 ぼくはこれまでずっと、自分は事件を解決するしか能のない人間だと思ってた。犯罪が起こらなければ存在価値のない、他人の悲劇があって初めて生きがいを見つけられる浅ましい存在なのだと。

 むずかしい謎を解きほぐす自分の能力に誇りを感じる一方で、どうしてもその思いがまとわりついて離れなかった。

 でも、ぼくの鏡であるきみを見ていて分かったんだ。

 事件の只中で傷ついた多くの人たちにとって、ひょっとしたら、ぼくの存在そのものが、一片の救いになっていたんじゃないだろうか、ってね。おこがましい考えかもしれないが、そうに違いないと今は思えるんだ。

 事件が終わるたびにどうしようもない自己嫌悪に襲われてきたけれど、今、ぼくの心は今日のこの空のように晴れ渡っている。

 ぼくらはまた互いの世界で頭を掻き回し、袴の裾をひるがえして駆けずりながら、いくつもの事件を解決していくんだろうね、これからもずっと。

 ねえ、そっちの空は晴れているかい』

(↑なんかワケのわかんない妄想が暴走中)

・今日のつぶやき(敬称略)……

加藤武のコメディ・リリーフにジャイアント馬場のプロレスの面影を見た……「よし、わかった!」はさしずめ十六文キックか……『週刊文春』の阿川佐和子対談での石坂浩二の話によると市川監督は出演者に「セリフが速い。もっとゆっくり」と指示を出してたそうだけど、加藤・大滝の二人はもっと速いくらいでちょうど良かったんじゃないかという気も……